中学三年生の主人公青山勇也はクラスの前から二列目の左端に座っている女の子、天野瞳子に恋心を抱いていた。
好きな子の前になるとあがってしまう。誰もが一度は持っていたシャイな心の持ち主であった勇也は卒業までひと月と迫った今でも瞳子と会話すら交わしてはいなかった。
気持ちを伝えられない――――それは何時しか、勇也にとっての、中学校生活のたったひとつの後悔になっていた。
そんなある日訪れた突然の転機。世界から見れば小さな出来事……しかし二人にとって、これからを――――人生を大きく変える一つの甘酸っぱい初恋が、今ゆっくりと動き出す。