【 愛しきものへ 】
天の楽園フェンシィオ。女神の加護のもと、天使たちが暮らす世界。
清廉な空気の中、花が咲き乱れ、穏やかな時間が過ぎる日々。
長く友人関係だったヴァリオルとミアシェルは、晴れて恋人同士となり、仲睦まじく過ごしていた。
「女神さまがお呼びだ」――その日、その瞬間まで。
【 恋しいひとよ 】
悪魔の少女エルザは闇に飽き、地上へと飛び出した。
初めて見る景色に心を奪われて、同時に、出会った天使の少年に惹かれていく。それは、淡い想い。
約束もなく、ただ「またね」とささやかな期待を胸に再会を願って、……それだけで楽しかったはずなのに。
「これがあたしの愛し方だったんだわ」――叶わない恋の行方。
【 そして、愛をとかして 】
伯爵令嬢のレイチェルは、これからも何も変わることなどないと無邪気に信じていた。
避暑地で顔を合わせる幼なじみの二人と過ごす日々は楽しく、今日もまた、三人で秘密の隠れ家へと足を運ぶ。
雨が降っていた。――雨は、悪夢を連れてくる。
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一章はハッピーエンドのつもりです。
二章と三章は続いて、そしてハッピーエンドのつもりです。
ブクマ、評価、してくださった方々、ありがとうございます…!
一章二章は、過去に音声ドラマの台本として書いていたものを改めて文章化してみたものです。改題していますが。
天使 女神 悪魔 堕天使 魔法 両想い 友情 追放 初恋 シリアス 悪夢
読了時間:約79分(39,195文字)