人々を守護する駐屯騎士団最強でありながら上司に疎まれたあげく解雇されてしまった元最強騎士ブレン・ガンダフ。晴れて無職のニートとなったブレンは、戦いづくめだった自分の人生を振り返り、ゆっくり生きみるのも悪くないかもと開き直る。そう決意した夜のこと、彼は傷だらけのまま路地裏に放置されていた奴隷の少女レティと出会う。
「助けて……」
「お、いいぞ」
イザとなれば自分は魔物の丸焼きでも食えばいい。家族が一人増えるくらいヘーキヘーキ。そんな軽い気持ちでレティを引き取ったブレンだったが、彼女隠されたある秘密が、やがて王国の存亡にかかわる大事件を引き起こす。
「せっかくのスローライフなんだ。邪魔する奴は騎士団長だろうが元上司だろうが……世界を滅ぼす魔神だろうが、絶対に容赦しねぇ」
クビになっても最強は最強。一度助けると決めたのだから見捨てはしない。レティを守るため、たった一人彼女の味方として、ブレンはもう一度その手に剣を握る。