——「自分のため」と答える声が酷く優しいものに聞こえたのは、多分君が目を背けないから。
「だって、痛くないと思ったら、痛くなくなるんだよ」と君は言う。僕と君では見ているものも、感じているものも違うけど、痛みは忘れていいものなんかじゃないと、僕は思うんだ。どうしたらそれが君に伝わるのだろう? 「5月16日 傷口と痛みの意味」
※自サイトで連載中の絵と文字と音で紡ぐWeb企画『シノニム-境界の砂時計短編集-』より小説部分の転載になります。(サイトでは他に絵と音楽があります)
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