主人公・契(けい)には〝自分〟がなかった。
感情はあっても意志がない。必然的に時間を持て余すようになり――それ故に悪魔の少女・クロマに誘われた。
悪魔は時間を代償に特殊な能力を振るう存在だ。古くから人間と共生関係にあったが、十数年前に人間側が反乱を起こし、悪魔を便利に使える手駒・天使へと貶めた。
クロマはそんな仲間を取り戻すための使者だという。
しかし彼女は非常に高コストな力しか使えないため、エネルギーの足りない現状では無力に近かった。契も基本的には普通の高校生、戦闘なんて出来やしない。
ただ、契には一つ武器があった――自分を持たない契だから、演技が得意なのだ。
はったりを駆使して襲い来るエージェントを倒していくような、そんな感じのお話しです。
講談社LCに出すため削除していたのですが、落選が決まったのでちょこちょこ再掲していこうと思います。
そのため前書き後書きはほぼない簡素な形になってしまうとは思いますが、ご了承いただければ幸いです。