将来に対する夢も希望もなく、高校卒業後は
「でっかい夢があるんだ。その為にはやりたくない仕事に時間を割いている暇はないんだ」
という必殺文句を武器に、ニート生活を謳歌する予定の高校3年生、四季富士居鯉《しきふじ いこい》は姉であり新人アイドルの輪鯉《りんり》こそ、ニート生活の要だと思っていた。
売れっ子になればそれだけ大金が家に入って来る。
輪鯉は、家族を大切にする最高の姉だ。
トップアイドルの稼ぎなら一生ニート生活も可能だと居鯉は思っていた。
しかし、事件は唐突に起こった。
ある日の夜、突然部屋に入って来た輪鯉が
「体を舐めさせてくれないかしら。食べはしないから。塩気がほしいの」
と告げてきたのだ。
どうやら輪鯉は、仕事先で謎の球体と接触し
その日以降、人を食べ物としか見れなくなったらしい。
姉が、凶悪ド変態殺人犯になってしまっては将来ニート生活どころではない。
そうなる事態を阻止すべく、居鯉は自分のニート生活謳歌、という
「一周廻って逆にこれこそ夢」のために、
ニート生活謳歌の実現には必須である輪鯉の稼ぎ、
「ニート生活への一筋の光、希望」を手放さないために、
輪鯉の正体を周囲に知られる事なく、トップアイドルへの道を手助けしていく事を決意する。
夢と希望を手にした居鯉(クズ野郎)の波乱に満ちた日々が、はじまった。
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