風来坊の父ヴァハグンの6年ぶりの帰宅。父親の帰宅に良い顔をしない娘のヴィナール。ヴィナールの住むハヤスタン帝国では、全知全能の神とされるアストライオス神を信仰している為、帝国民は皆、赤子の時に洗礼を受けて何かしらの恩恵を受けている。
大抵は日常生活に関係したもので「無病息災」や、「開運」「金運」「商才」などといった恩恵を受けやすいのに、ヴァハグンは「英雄」という特殊な加護をもっていた。そのせいで突飛なことばかりする。自分より強いものに興味を持ち、己を高める為と称して各地に武者修行に出かけていくことが常だった。
その父が帰宅する度に持ち帰る「お土産」。それが普通であるはずもなく、毎度毎度迷惑を被ってきたヴィナールだったが、今度はなんと愛らしい小羊?!
小羊の愛らしさに癒やされる~と、浸っていたら、皇帝陛下からの呼び出し。何と父ヴァハグンの活躍で壊滅したはずの「宵闇の海賊」が現れた? しかも、元婚約者のアイギス公子が、その海賊の討伐に身を乗り出した? そんなことはあり得ないのに。
宵闇の海賊はある事情から、現在、海軍少佐であるヴィナールの忠実な部下となっている。皇帝から真相の追及を命じられ、真相解明の為、元海賊達を引き連れヴィナールは出立することになった。
悪役令嬢 異世界恋愛 婚約破棄 前世の記憶持ち お嬢さまは無敵 海賊 公子 ざまああり? 寝取られ 羽なしヒポグリフ 巨大タコ 水竜 英雄の父 母は女神 小羊は実は……
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