『魔導士』が、世界に姿を現さなくなって五百年余り──。かつての『魔導士』と『人間』の争いは、遠い昔のお伽話と化した。しかしその爪痕は、現在も深く傷を残している。
『魔導士』たちは、己の魔力を効率よく使う為に『魔術式陣』を編み出し、それを道具へと発展させた。その最たる技術の『人形』、その中で特に戦闘特化した『戦雛』は、長い時間の間で腐変し、『魔獣』となって『人間』を襲い続けている。
一方で『人間』は、『魔導士』の残した道具、通称『遺産』を研究し、それを模した『魔導具』を作り上げて、生活に役立てていた。
遺したもの、残されたもの。世界は、その全てを内包し、時は進んでいく。
『人間』と『魔導士』の間で、『人形』は何を思うのか──。
『未来』に託した、『過去』の想いが、『現在』で交わる。
※pixivにも投稿しています。
ファンタジー 魔法 異世界 少女 少年 魔導士 人形
読了時間:約107分(53,152文字)