主人公・松永志信は、心霊スポット研究部――通称・SSI(Spiritual Sanctuary Investigation)――に所属する京學館大学日本文学科伝承文学専攻の二回生。
SSIとは心霊スポットを民俗学、社会学的な見地から研究することを目的に、寄せられた心霊スポットの調査依頼に対するリファレンスサービスを主な活動内容としている。
部員は部長の獅子堂邦生、二回生の松永志信、高原玲子の三人。
しかしそのSSIも、邦生の卒業と顧問の交通事故死という不幸が重なって今期で廃部になることが決定していた。
そんな中、SSIへ同時にふたつの依頼が舞い込んだ。
それは、奈良県に現れるのっぺらぼうの噂と、梅田の泉の広場に現れる赤い服の女の幽霊の調査依頼だった。