「只今よりサンタ捕獲大作戦を決行する」
これはただの作戦ではない。三人の子供たちと、たった一人のサンタクロースによる決戦である。
小学六年生のケンタは兄弟の中でもずば抜けて運動神経がよく、長男としての役割を十分に理解していた。だからこそ、この日、クリスマスの日に、無謀とも思える作戦を実行に移したのだ。
小学五年生のタツキは長女である。兄弟の真ん中にして唯一の女という事で苦労したことも多くあるが、そのため三人の中で最も頭が良く、最も慎重であった。この作戦を成功させるために、必要不可欠な存在である。
小学三年生のリトは、次男坊にして最強の役者だ。大人顔負けの演技力を駆使し、兄と姉が最も動きやすい状況を作り出す、それが彼の任務だった。彼にできることは、その演技力をもって兄弟全員のサポートをする事、一番下だが、やる時はやる男である。
しかし、このミッションを成功させるためにはいくつかの問題点がある。まず、サンタクロースがやってくる煙突で待機し、捉える必要がある。しかし、そのためには深夜まで起きている両親の目を掻い潜らなくてはならない。
さぁ今宵、一世一代の大勝負。子供が勝つかサンタが勝つか。サンタ捕獲大作戦の開幕である。
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