天と地。地球に君臨していた人類はいつしか二つの勢力に別れる。空に魅せられ天に昇った者達。母なる大地を愛し地に留まった者達。それらは互いに互いを理解し尊重し合い、手を取り合い更なる頂を目指すと、天に昇った者達は長い年月をかけ外宇宙探査拠点【オーヴィタル・ライン】を建造する。対し地に留まった者達は量子集束【クウォンタム・フォーシング】を実用化に成功した。二つの成功を元に天と地の民は、未来永劫に渡っての人類繁栄を願い【神の領域】へと手を伸ばす。天は機械種【サイバネティック】、地は生体種【バイオニック】と名付けられた、全く異なるアプローチによって造られた人工生命体を産み落とす。それが崩壊への鍵だとも気付かずに。
気の遠くなる時が過ぎた時代。
天に昇った者達は深淵の宇宙へ消え、地に留まった者達は過去の繁栄を忘却していった。
人類は見上げる。
太陽を。
月を。
星を。
そして遥か空に浮かぶ【オーヴィタル・ライン】を。