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連載 12エピソード
ミッドランド大陸の主要国家の多くに、いつしか国教とされていた新興宗教組織イルビン。 彼らによって、耳長族は蔑視の対象とされ、邪教を信仰する蛮族として、その多くが迫害の対象となり、一方的な宗教裁判にかけられ、その命を落としていた。 闘技場に集められていたそのほとんどの戦士が裁判の結果、理由なく戦闘奴隷におとされた耳長族であり、そこには族長の娘ミリアの姿もあった。 彼女は囚われた同胞、そして耳長族の存亡をかけ、戦いの最中、命を賭けた禁呪を発動させる。 一方… 石黒絵美里(28)は某大手ソフトウェアメーカーの開発部で働く、父をドイツ人、母を日本人に持つハーフである。 絵美里は幼いころ、少なくとも小学校2年までは、帰国子女が多く通う私立のスクールに通い、何不自由なく暮らしていた。 しかし、両親の離婚に伴い引っ越した絵美里は、田舎の公立の小学校に転校。 皮膚の色や瞳の色が違うことを理由に、同級生から激しいイジメにあう。 母はパートを二つ掛け持ちし、懸命に絵美里を育てあげるが、絵美里が高校生のころに他界。 結婚への反対から、断絶していた母方の実家に絵美里は身をよせるも、ここでも肩身の狭い思いをする。 懸命に勉強し、人並み外れたプログラミングの知識を手に入れた彼女は「人外の頭脳」と呼ばれ就職にも不自由しなかった。 最近のお気に入りは、鬱積した過去の反動からか「フリースタイル剣道」いわいるチャンバラ道場通いである。 そんなある日のこと。 絵美里は交通事故を境に、異世界、それも戦闘奴隷であるグラディエーターの少女ミリアに憑依してしまう。 そこは、呪を使い 蘇生の度に人をモンスターに変えていく過酷な戦いの世界だった。  グラディエーターに提示されていたのは、ミッドランド大陸の東西にある迷宮都市闘技場での優勝による奴隷からの解放。 それは無謀にも思われたが…絵美里の「人外の頭脳」とミリアの身体能力は、そのことごとくの予想をひっくりかえしていく。 ミッドランド大陸で起こる人魔大戦の少し前段階、魔族の陰謀に立ち向かうミリア(絵美里)の活躍を描く、剣と魔法のダークファンタジー。 (これは作者が、可愛い女の子が、凛々しく戦うシーンを沢山描きたくて、テンプレを下敷きに紡ぐお伽噺である)
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2018年08月07日
オリジナル戦記 ヒーロー 冒険 ダーク 女主人公 西洋 魔法 読了時間:約45分(22,049文字)