稲津政仁(いなづまさひと)は、巨大ビルの建築現場事務所に詰める中堅クラスの電気技術者である。
竣工間際となり、最後となるはずだった定例会議にて施主と設計会社から、大幅な仕様変更を申し入れられ、ゼネコンを始め各業者が大混乱に陥った。
工期の延長もない、作業員の数も足りない。何より予算が残り少ない状況で、彼は現場事務所に泊まり込み24時間フル稼働で働いた。
ようやく迎えた竣工式前夜、稲津は竣工書類一式の制作を終えると倒れるように眠りについた。
そして目が覚めると、異世界にて伝説の存在とされている神雷竜になっていた…