何処かの街。 【駅】 何処かの街の駅。 文化財に指定されているのかは知らないが、 この路線の中で唯一、昔の姿のままでいる駅だ。 もちろん自動改札機などない。 しかし、切符を切る音は響かない。 終電はたった今この駅を後にした。 これは、そんな何処かの街の駅で起きた不思議な出来事。

何処かの街。 【公園】 日常。 そんな言葉が当たり前のように過ぎ去っていく。 何処かの街からしばらく歩くと、 ひっそりと佇む小さな公園がある。 公園の名前は「北公園」 二人の旧友の再会が、物語を呼ぶ。

何処かの街。 【喫茶店】 日常。 そんな言葉が当たり前のように過ぎ去っていく。 駅から少し離れた坂道の途中にある喫茶店。 そこに飾られた一枚の絵画。 その絵に少女が出逢った時、物語は始まる。

町外れの桜が満開になる頃、 「夜桜亭」は涙の花びらが舞う。 昔ながらの居酒屋「夜桜亭」は夫婦二人の二人三脚。 いつもようで、いつもじゃなかったとある日の物語。

「あの場所に向かった。 　やっぱり今日も、 　君が手を引いてくれた。」 気の弱い瑠香と、天真爛漫な慧。 慧の導きにその足を進める瑠香を、最後に待っていたものとは…。