信濃屋幸兵衛は山南藩城下に住む金貸しである。ある日、だれかに尾行されていることに気づく。仕事柄荒事の可能性を危惧しながら歩く幸兵衛に一人の貧乏牢人が声を掛ける。 「五文お恵みくださいませんか」と

「五文お恵みくださいませんか」 山南藩の城下では、追い詰められた者には突然そんな声がかけられる。 その声は困窮した牢人の物乞いの声であり、天より下された一筋のクモの糸でもある。 たった五文で命を懸けられる。 駿河松平家牢人平松宗左衛門。 その剣の冴えは、天下に轟かずとも、ただみなの胸の内に。 ※本作は短編「五文侍」の連載版です。

中松助五郎は突然兄の訃報を耳にする。 公の裁定に納得がいかない助五郎は、ある夜外出する兄嫁の後を追うと……。

中村清左衛門は安芸を目指して旅をしていた。 道中、奇妙な様子の人物と出会い、二人で旅をはじめることに……。 ※この小説に登場する人物・団体は全てフィクションです。実在する人物と同じ人物が登場しますが、あくまで架空のお話です。

別れ話を切り出した彼は、相手に大きくなじられた後に一人店内へ残される。

廖化は剣閣から向こうに沈む夕陽を眺めていた。

私、白石望の恋心は、突如として藍色に染まってしまった。

とある大学生、中村俊也。 彼はいわゆるオタクとして、灰色の青春を送っていた。 そんな俊也に訪れる一つの転機。 （いったいどうしてこうなったんだ!!） 彼の心の叫びに応えてくれるものは、誰もいなかった。

池の畔の小さな松。 その下で”私”は考える。

大井霞は天才である。 齢十二にして中西一刀流の切紙を許されたほどだ。 しかし、それを必ずしも皆が歓迎しているとは限らないのだった……。 ※以前投稿した同名作品の改訂版です。内容は途中から変わります。 ※「霜葉の如く」「霜葉と共に」「二月の徒花」の続編になります。未読の方はそちらをお読みいただけると幸いです。 ※個人サイト掲載（予定）