北方大陸の地下に存在する巨大な空間『果ての箱』で生きる少年カームは、ある日ふと見つけた『風の空白』という本を読んで、“空っぽの心を満たそうとやって来る風”の存在を知る。
停滞に満ちる『果ての箱』では感じることのできない風の存在に魅了され、カームは『果ての箱』からの脱出を決意し、そんな願望に満ちるカームを『果ての箱』は残酷に吐き出した。
初めて身体に受けた風が極寒の暴風だったことで、カームは意識を失い――――目を覚ますと、風の無い部屋で流麗な女性に見守られていた。
彼女の名前は、アラシ・ハミル・キトス。
稀代の冒険家にして、『風の空白』の著者その人だった。
意思を持つ風の吹く、科学と感情に満ちた新世界で、物語は旅をたどる――――――――
※縦書き閲覧推奨です。
シリアス 冒険 SF ファンタジー 少年 女性 少女 風 旅 新世界 感情 地理 仮想未来 縦書き閲覧推奨
読了時間:約351分(175,085文字)