作品一覧全8件
代表作 連載 35エピソード
北方大陸の地下に存在する巨大な空間『果ての箱』で生きる少年カームは、ある日ふと見つけた『風の空白』という本を読んで、“空っぽの心を満たそうとやって来る風”の存在を知る。 停滞に満ちる『果ての箱』では感じることのできない風の存在に魅了され、カームは『果ての箱』からの脱出を決意し、そんな願望に満ちるカームを『果ての箱』は残酷に吐き出した。 初めて身体に受けた風が極寒の暴風だったことで、カームは意識を失い――――目を覚ますと、風の無い部屋で流麗な女性に見守られていた。 彼女の名前は、アラシ・ハミル・キトス。 稀代の冒険家にして、『風の空白』の著者その人だった。 意思を持つ風の吹く、科学と感情に満ちた新世界で、物語は旅をたどる―――――――― ※縦書き閲覧推奨です。
作品情報
空想科学[SF]
最終更新日:2024年09月05日
シリアス 冒険 SF ファンタジー 少年 女性 少女 風 旅 新世界 感情 地理 仮想未来 縦書き閲覧推奨 読了時間:約351分(175,085文字)
連載 完結済 5エピソード
鉄鎖をまとう民がいる。彼らの鉄鎖はかつて絶大な力を有していたが、犠牲に途轍を見出した者たちの手によってその力は鉄鎖から消え去り、今の彼らはただの鉄鎖でしかない鉄鎖を隷従の証として身にまとう。 ユエラは王家の血をひく鉄鎖の民だが、王家の魂たる家名が移譲される前に生みの母が亡くなってしまったため、家名を持っていない。引き取られたチトセ家の家名を使うよう勧められても頑なに拒み続け、いつしか鉄鎖を生み出すはずの年齢は過ぎ去った。 鉄鎖の民であることを理由に誰とも関わろうとしなかったユエラだったが、ある曇天の日に、シタンという少女と出会ってしまう。シタンはそれからユエラに会いに来るようになってしまい、ユエラはそれを拒みきれず、奇妙な交流が重なってゆく。 そして、そんな交流が一七日を数えた、ユエラの一五歳の誕生日。シタンの目前で、ユエラは鉄鎖の民となった―――――――― ※縦書き閲覧推奨です。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2019年02月03日
鉄鎖 姫 強者 隷従 末代 研究者 少女 血 温度 汚れ 曇り 迷い 憧れ 利益 読了時間:約32分(15,654文字)
短編
高槻佑貴は就職に失敗し、大学進学以来の帰省をすることになった。父の工務店を継ぐ決心がつかず、春までの猶予を与えられた高槻は、幼なじみである元永優希に強引な約束をさせられて、帰省当日に再会することになる。そして、元永の職場である公共施設の階段で時間を潰していた高槻は、不意にめまいに襲われ、墜落してしまう。だが、高槻は――――施設上空に浮かぶ巨大な球体の中に転移していた。 領域内に高槻だけを存在させる球体は、高槻の意思の向く場所へと移動する。一度は面倒だと思って球体を拒んだ高槻だったが、高槻の思考に根を張る想いが、再び球体を求めさせる。 かつて創り出した距離の絶対と、憧れ。高槻はそれらに囚われたまま、年を越えようとしていた―――――――― ※縦書き閲覧推奨です。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2018年05月20日
球体 絶対 就職浪人 同音名 距離 地元 都会 中途半端 ケンカ 社会人 読了時間:約52分(25,805文字)
連載 完結済 39エピソード
夏休みが明けた日、洲本霧香は人々の記憶から消え、“転校生”となった。 霧香のことを覚えているのは、幼なじみのうちのひとり、芦屋憶人だけだった。 それからも霧香は日ごとに人々の記憶から消え、転校生となるのを繰り返す。霧香は折れそうになりながらも、いつか誰かの記憶に残ることができると信じて、憶人と共にそんな状況へ抵抗をする。 それまで守り続けてきたものを壊しながら生き抜く時間は、霧香を強くし、美しさを極めさせてゆく。そばで見守る憶人に、その眩しさで影を引かせながら―――― ※縦書き閲覧推奨です。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2017年07月10日
青春 記憶 高校生 孤独 願望 完璧さ 現代 縦書き閲覧推奨 読了時間:約203分(101,246文字)
連載 完結済 16エピソード
《虚人》。それは、“空虚な存在”という意味で名付けられた、人類の脅威。 地球上での版図を失い、軌道上に逃れた人類は、『塔』によってかろうじて地上とのつながりを保っている。 そのひとつ、3号塔には、《虚人》を撃ち砕く弾雨を降らせる者がいた。 圧倒的な能力を持つその者は、3号塔防衛部隊の塔隊長であり、“《虚人》に最も近づける人間”だ。 彼は《虚人》を知り、人間を知ってゆく。そして、かつて投げられた問いの答えを見出す。 だが、答えを見出したのは彼ひとりだけではなかった―――― ※縦書き閲覧推奨です。
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パニック[SF]
最終更新日:2017年02月27日
虚無 登場人物視点 3 隊長 塔 献身 縦書き閲覧推奨 キネノベ大賞2 読了時間:約71分(35,271文字)
短編
『ボク』は純文学からラノベに転向して成功し、『知人A』は純文学を貫いて成功した。 かつて共に高みを目指し、違う頂を極めた二人が再会したならば―――― ※縦書き閲覧推奨です。
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純文学[文芸]
最終更新日:2016年06月17日
シリアス 現代 純文学作家 ラノベ作家 価値基準 読了時間:約19分(9,156文字)
短編
人類が永遠に静止し、『人柱』となる現象。それを『冷酷な春』と呼ぶようになってから、いくらかの時が流れ、あらゆる場所で人柱が立っている世界となった。そんな世界を、永遠に動き続けることができる体を得た少年と少女が歩き続けていた。“いつまでも”だからこそ、“いまだけを”生きようとしながら―――― ※本作を原作とするADVゲーム「春に生きれば」を公開しています。 ※縦書き閲覧推奨です。
作品情報
パニック[SF]
最終更新日:2016年05月04日
少年少女 静止 家族 動作 進行 読了時間:約46分(22,704文字)
短編
ハーブに花はないけれど、ボクはそれでも「花が咲かない」と言おう。 ボクの世界にやってきた君は、生きるための拠り所を求めていた。 君の『異常』に惑わされないボクは、それになれたし、なりたいとも思った。 ボクたちは、世界に根を下ろし、互いを隣に感じていようと決めた。 たとえ世界のすべてから遠ざかろうとも、ボクは君と寄り添い生きようと思う。 君に花が咲かないからこそ、ボクは君を隣に感じる世界を生きてゆけるんだから。 ※縦書き閲覧推奨です。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2015年11月09日
ハーブ アベリア 生きる 恐怖 感覚 少女 死花 逃避行 花 縦書き閲覧推奨 読了時間:約33分(16,324文字)