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連載 11エピソード
凪葵(なぎあおい)は、叔父である伊豆見洋(いずみひろし)が構える司法書士事務所で助手として働いている。 そんな葵は、他人と比べてある能力に秀でていた。 それは、言動・表情、そして場の空気等から他者の感情を汲み取る力。 つまり、他人のウソが直感的に分かるのである。 ただそれ以外は、プリンが好きで少し控えめなごく普通の働く女子であった。 葵が事務所に来て1年が経ち、雑務のほとんどを任せられ、慌しいながらも充実した日々を送っていた。 そんな中、洋の大学時代からの友人で、大手出版社の女性誌部門の記者である 桐谷千春(きりやちはる)が事務所を訪れる。 千春は、とある人物の誕生パーティの招待券をちょうど3人分もらったので一緒に行かないかと提案する。 その"とある人物"とは、最近売り出し中の若手実力派女優である北大路帆美花(きたおおじほみか)であった。 洋は、帆美花の出演しているテレビ番組はほとんどチェックするほどのファンであり、即、千春の提案を受け入れる。 帆美花は昔、葵の近所に住んでおり友人同士であった。 しかし、帆美花が家庭の事情で引越ししてからは、お互い連絡を取ることもなかった。 葵は、帆美花がテレビに出るようになってからは遠い存在のように感じていた。 帆美花との思い出を今でも鮮明に覚えている葵には、千春の誘いを断る理由は無かった。 それぞれの思いを秘め、パーティが行われる某県の山奥にある北大路家の別荘に向かう。 葵はその道中、帆美花に再会できることの喜びでいっぱいだった。 話したいことは山ほどある。 聞きたいことも山ほどある。 しかし、その胸いっぱいの喜びは、別荘で起こるある悲劇により、儚くも消え去ってしまうこととなるのであった。
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル] R15残酷な描写あり
最終更新日:2016年02月25日
推理 ミステリ 現代 OL 読了時間:約33分(16,354文字)