関西ローカルの第一線とまではいかないまでも、コアなファンにはそこそこ評価されていた漫才コンビがおりました。
名はサスペンス。ネタつくり全般の筒井と言葉巧みに伝える能力を磨いた神田、それぞれの表現方法を試行錯誤したどり着いたお笑いの世界。
愛されて、愛されて、なりたかったヒーローになる日も近い。そう思っていた矢先、愛をとらえちがえた二人は突然、愛の冷たさを知る。
漫才師とその相方は皆に愛されていた。
愛を愛で返すか、裏切りで済ますのか。
冷たくなった愛を温めることは、愛してもらえたことの理由を探すことになるかもしれない。昔、愛してくれた人たちに。
もう二度と届かないとしても。
言葉を二人は続ける。着地点も見えないまま。