内側へと構築された夜の街を爆破するためにひたすらに駆ける少年の思いと言葉と弾丸。

　音のない部屋にある私と博士。私はそこでひとつのタイプライターをみつけるのだけど――

　少女は猫の夢をみた。そこは影のない世界で、猫がひとの言葉を話す世界で、だからそこは、夢のなかに違いはなかった。そうであるはずだった。

　私たちの様々な思考や感情の現れである蛍火は、今日もまた薄闇の夜のなかを自由気ままに舞っている。二人の少女の静寂な会話。

　ひょんなことから言葉の密室に閉じ込められた私とルドル教授は二人で脱出手段を模索することになるのですが、そこに待ち受けていたのは終わらない物語の連鎖と、そして唐突な物語の終わりであるのでした。

　君の口から紡がれたでたらめな物語は私の対抗心を刺激し、そして同じくらいにでたらめな物語が、不器用な編み物のように紡がれる。とある放課後での出来事。

　通りかかる犬。そして老人。少しばかりの思いを抱えながら、少女は夜道をゆく。いずれ訪れるであろう終わりを探して。あるいは、始まりを求めて。