須磨山の洞窟には、25年に1度だけ白いヒナゲシが咲くという。
「その白いヒナゲシにお願い事をすると、何でも叶えてくれるんだって」
どこにでもありそうな小さな伝説。
それが意外にも身近にあった驚きと少しの好奇心から、暇を持て余した大学生の麻里也は、恋人の信二と久しぶりに洞窟に行ってみることにした。
幼いころの記憶を頼りに山へむかい、洞窟を見つける2人。
恐る恐る進み、怪我を負いながらも到達した洞窟の最深部。
ほとんど光の届かないはずのそこで目にしたのは———いくつもの白い花だった。
悲恋 日常 ミステリー タイムトラベル
読了時間:約4分(1,829文字)