会社の飲み会から帰宅した男は、気付いた時には赤ちゃんになっていた。 男にも何があったか理解できていない。わかったことといえば、どうやら自分のいるこの世界が、日本ではないこと。そして自分は、ドラゴンの子供にいつの間にかなっていたこと。 会社に行く必要がなくなり、時間が自由になったとはいえ、見知らぬ場所で生きていくためにはそれなりの準備がいる。ドラゴンから生きる術と能力について学び、力と知恵をつけていく。だがドラゴンが、その世界においてどういう位置付けにされているか、まだ男は知らなかった。

箱の中というのは、のぞいて見なければわからぬもの。しかし、誰も開けたことのない箱というのは、人の好奇心を大いに刺激します。金銀財宝、秘伝の書。もしくは大変貴重な何かが入っているのかも。 しかし、さきほども言いましたが箱の中はのぞいて見なければわからぬもの。幸か不幸か。それは、開けて見なければ、いつまでもわからないのです。

あるところに一人の農夫がおりました。 大した能はありませんが、土を耕し慎ましやかな生活を送っております。 これは、その農夫のつぶやき。いえ、まっこと中身のない、つぶやきにも満たない思いにございます。

ある村に『菊ちゃん』と呼び慕われる少女がおりました。

　あの日見たものは、今でも忘れられません。あれは夢だったのか、現実だったのか。今でも定かではありませんが、私の目は確かにあいつを見ていました。信じてくれなくても構いません。ただ、私が嘘をついていないという一点だけは重々にご理解賜りますようお願いいたします。

魔王を打ち倒した救国の英雄。しかし、彼に待っていたものは、歓迎とは似ても似つかぬ待遇だった。

心というものを私は知らない。

その世界は人間が回して居ます。けれど、人間は疲れてしまいました。そして人間の影が変わって世界を回し始めます。