現在より50年の後、ある発明と発見をキッカケに人類は飛躍的な進化を遂げた。
新人類の誕生といっても過言ではないその進化がもたらす未来とは……
2050年 それまで195ヶ国あったそれぞれの国家は、当時の先進国であった国々が「アダム」を開発したことにより、その膨大な情報集積・演算能力の性能と、それまで人類が培ってきた深淵なる知識・知恵を瞬時に解析・統合する学習能力により導かれる結果を畏怖し、どの国も自国で抱えきれる代物ではないと悟り、僅か5年の間に地球上の全ての国と地域・団体が諸手を上げて国家統合に歩調を合わせたのだ。
人類が誕生して400万年の間、絶え間なく続いた争いの歴史はたった1台のコンピューターにより、呆気なく終結を迎えたのだ。
それからは、「アダム」主導の政権下統一された人類は目まぐるしいスピードで進化の道を進んで来たのは、想像に難くないだろう。
もちろん、それまで体を成してきた企業・機関がそれに対抗し得る訳もなく一瞬にしてアダムの指揮下に収まった。
統治システムも一変 13歳を成人とし、従来までの学習機関は「アダム」が創り出したシステムにより個人差はあったものの十数年かかった学習容量を、誰もが僅か5年で習得できる様になり、その後の仕事についても POS判断(personal optimization system)による診断を11歳の年に受け、6大別されたタイプの内、決定づけられた運命を全うする。
無論、科学・工学に留まらず医学も脅威的に発展を遂げた現在にとって老化などという言葉は存在せず人間の個体それぞれのピークを維持する事が出来るため、見た目も一様に20代の最盛期が標準的なため上下の関係性さえも風化しつつあった。
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
残酷な描写あり
最終更新日:2015年01月23日
SF 異能 戦争 未来
読了時間:約4分(1,580文字)