どこにでもある、コンビニエンスストア。
大学1年の頃、道に迷って偶然見つけたことがきっかけで、僕は既に2年以上アルバイトをさせてもらっている。
このコンビニの少し珍しいところは、深夜はお客が全然来ないこと。来店客が来ると、むしろ少しびっくりする。
僕が一緒に働いている店員、山口さんは、ひげもじゃで、二つの癖を持っている。「はっはっ」と笑うこと。そして右手の人差し指に、長く伸びたあごひげをぐるぐると巻きつけること。
ある日、山口さんはこんなことを漏らす。
「僕はこいつらの先輩なんだ」
ここで言う「こいつら」とは、売れずに残ってしまい、商品の期限を過ぎてしまった廃棄商品たちのこと。
これは、山口さんと僕が過ごした、ちょっぴり特別な深夜のお話。
コンビニ 短編 コメディ 文学 エンターテイメント 現代 大学生 ほのぼの
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