その日、潮風に錆び付いた歯車が、軋みながら動き出した
「君、もしかして異国の人!?」
もう誰も見たことのない昔
人々の築き上げた全てを飲み込んだ 海と呼ばれるもの
滅び行く海沿いの街に生まれ育った少年の前に現れた少女は、
その海に、とっくの昔に飲み込まれ滅んだたはずの、異国の人、そのものだった
少女は言った、私は、海に行くために、ここに来たと
それは正に、少年がずっと、心の中で燻らせていた夢だった
少年は、誰もが語る、怖るべき海の姿に、ずっと疑念を抱いて生きてきた
二人はその日、約束する
一緒に、海を見に行こう
この世界に蔓延った嘘をひとつ、暴いてやろう
※全四章構成
一章が完成しました
二章の連載を開始しました
冒険 エンターテイメント 未来 少年 少女
読了時間:約38分(18,924文字)