モンスターの湧き出る厳しい世界。
そんな厳しい世界で人々が生きていく為に、神々より与えられたとされているのが『スキル』という力。
人は、誰しもが複数個のスキルを持ち合わせて産まれてくる。
少年テオは生きるため、冒険者となった。
それ以外に道はなかった。
冒険者として生き残るには、戦いの為のスキルが複数必要だ。
しかしテオはたった一つのスキル。しかも戦いには向かないスキルしか持ち合わせていなかった。
そのスキルの名は『アイテムボックス』。
遥か過去には重宝されていたスキルだ。
だが、マジックバックという量産品の道具にその役割が取って代わられ、その価値が暴落してから久しい。今では産廃スキルと見なされている。
この世界に置いて『アイテムボックス』しか使えないテオは弱者とされる。
それでも彼は言う。『アイテムボックス』は最強スキルの一つであると。
これは、そんな彼がやがて魔王と呼ばれるようになるまでの物語である。