不思議の国。
それは壊れた世界――。
そこに迷う込むアリスが一人。
読書が好きな少女、アリエスは今日も本読んでいると穴に落ちてしまう。
穴の先は幻想的な場所だが、出会う人たちは何処か壊れていた。
彼らは自分たちを、チェシャ、双子、帽子屋、女王と呼び、アリエスの事はアリスと呼び、まるで童話の“不思議の国のアリス”だった。
幻想的な世界にアリエスは本の中に居るようで夢のようだったが、現実に帰る為にこの世界の出口を探す。
出口を探しに不思議の国を彷徨うなか知る。
壊れた世界、壊れた住人たちの事。それを語る、語り部が世界の真実と出口を示していく。
アリスが廻る壊れた住人達が居る世界の物語が、今、開幕の時。
伝奇 私小説 冒険 現代 アリス シリアス ダーク 近代
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