神歴3122年――魔族の活動による魔物の活発化や瘴気の発生などの影響で人間は大きな被害を受けていた。
各国の騎士団の奮闘によって滅びた国こそ無いものの、兵力は徐々に減少し、滅亡する国が出るのも時間の問題であった。
しかし、全ての国の中でも随一の大国であるエリクシア王国が保有する大神殿の巫女の元に、この状況を打開する神託が下った。
その内容は、『異世界より神の力を受け入れることのできる器を持った存在を、世界を救う勇者として召喚せよ』というものだった。
王国の第一王女の血と大神殿の巫女の魔力によって行われた召喚魔法は成功し、神の定めた聖数である四人の勇者が呼び出され、彼らは人々から『四天の勇者』と呼ばれた。
彼らは強大な力を以て多くの魔物を屠り、魔族すらも撃退し人々の希望となった。
だが、そんな彼らの前に一人の男が――千年前、世界から存在を消された『不滅の英雄』レイフォード・グランゼルが立ちはだかる。
世界を救う勇者の前に立ちはだかり、世界の敵となるレイフォード。彼には千年前から抱えるある目的があった――。