世界の全てが、ダンジョンに飲み込まれた。
それも、ずっとずっと昔に。
なぜ飲み込まれたのか。
飲み込まれる前の世界の姿はどうだったのか。
幾層にも重なり、果てなく広く感じる壁や天井のその先、ダンジョンの外の世界はどうなっているのか。
それらの質問の答えはたくさんある。
古いとある冒険家の手記。
巨大宗教の世界の成り立ちの教え。
頭のいい学者さんの考察。 etc...
たくさんあるが、どれも言ってることがバラバラで、それらのどれが正解かを証明できる者はいないし、確かめた奴がいるのかどうかすらわからない。
わかるのは、そんな真偽もわからなくなってしまった話が至る所で蔓延ってしまうだけの時間が、世界がダンジョンに包まれてから過ぎてしまっているということくらいだ。
世界を包み込んだダンジョンの環境は特殊だ。
膨大な水に満たされた場所、
無限にマグマが溢れつづける場所、
常に雷が迸る場所、
重力が入り乱れる場所、
繋がるはずのない遠くに繋がる扉、
毎日形が変わる広大な森、
音と光がないただ白だけがある衣装部屋、
夢と現実が入れ替わる宿、
形のないものを捕らえる牢獄……。
それらの環境の共通点は、床、壁や天井で囲まれた、ダンジョンの『中』であるということくらいで、一定ではない。
そんな特殊なダンジョンの環境を、生まれてから当たり前の世界のあり方であるものと受け入れて、人々はなんとか生きていた。
これは、そんなダンジョンで生きるヒーロー達の物語。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年03月09日
群像劇 冒険 ダンジョン オリジナル戦記 異能力バトル ヒーロー チートなし
読了時間:約142分(70,606文字)