戦争中に妹を連れ隣国に亡命しようとしていた青年、王国騎士ジル・コンスタンスは、国境を目前にして狼の群れに馬車を襲われ、身を挺して妹が乗る馬車を守り、国境を越えさせるも自分自身は崖下へと転落する。
死を覚悟したジル・コンスタンスだが、木々が緩衝材となりからくも一命を取り留める。
数日かけ、歩けるようになるまで回復したジル・コンスタンスだが、唯一崖上に上がれる一本坂を縄張りにしている巨狼により足止めを食らってしまう。
森の中で、巨狼を打倒すべく鍛錬を積み重ね、3年が過ぎた。
ようやく巨狼を倒すことに成功したジル・コンスタンスだが、念願の坂道を駆け上がると、時はすでに60年経過し、自分自身は老人と変わり果ててしまっていた。
しかし、年老いた見た目とは裏腹に、彼の体には漲る力が迸っていた。
生き別れた妹を探すべく、変わり果てた世界を旅する老人幻想譚ここに開幕。