世界に存在する四つの大国。そのうちの一つである魔導国シーベールに暮らす魔術師の少年、シオン・ミルファクは『魔術を思うように扱うことができない』という、魔術師としてあまりにも致命的な欠陥を持っていた。 【欠陥魔術師】――そう呼ばれながらも、シオンは暖かな日常の中、日々研鑽を積んでいた。しかし、ある出逢いにより、少年の停止していた時が再び刻み始める。 ――――星空《ソラ》の下、運命は廻り出す 動き出す運命。歪んだ少年が己に向き合ったその瞬間こそが、物語の幕開け。 これは歪みを抱えた少年が紡ぐ、星へ謳う物語。 ＊　＊　＊ 設定資料集⇒https://ncode.syosetu.com/n4254er/

　――それはきっと、愚かしくも輝かしい救世の物語。

これは、星に刻まれたセカイの記録にして記憶。 現在過去未来、すべてを記した星の教典。 その一端を、此処に記す。 ＊　＊　＊ 本編⇒https://ncode.syosetu.com/n7958ej/

――僕には、大事な約束があった。 ――僕には、遠く憧れた人がいた。 千年前、エリムベルム大陸で起きた史上最大の戦争・『統一戦争』。此れにより、一つの国であったモノは、四つの国に分かれた。 魔術国《シーベール》 剣帝国《グランティカ》 霊獣国《テヴィエス》 商業国《アゥキドン》 この四つの国には、【相互武力行使不可条約】を締結し、以後千年間、互いに最低限の協力をし、大陸の平和は保たれていた。 そのうちの国の一つ――魔術国《シーベール》に住む魔術師の少年、シオン・ミルファクは、ある『欠陥』を抱えていた。それは、”魔術が思うように使えない”という、魔術師として致命的な欠陥だった。 【劣等魔術師】。 シオンはそう呼ばれながらも、幼き頃交わした、彼の根幹を作る大事な約束を果たすため、最強の魔術師になろうと、彼の通う、国最大の魔術の学び舎【シーベール国立魔術学院】で日々努力していた。 しかし――ある日、学院で起きた出来事に直面したことで、彼の止まっていた時間は、再び時を刻み始める。 ――過去に背を向けた少年が、現在と向き合った時、少年の運命は始動する。 これは――。 歪みを抱えた少年に定められた、過酷な運命の、物語。

――これは、どこにでもある日常の一ページ。 お互いが大好きな二人の、物語。

この涙は、罪の烙印《シルシ》。 この赫は、消えない咎の焔。 だからわたしは、贖わなくてはならない。 とある辺境の街に住む少女、リン・アストロアートは泣き虫だ。『泣き虫リン』なんて呼ばれる彼女は、ある日、図書館の隅で泣いていると不思議な声を聞いた。 「泣かないように、なりたいかい？」 少女の目の前には、一人の少年がいた。 リンは答える。その選択がもたらす結末を知らずに、少女は悪魔の手に縋り付く。 それが全ての始まり。少女の罪は、此処から始まる。 これは、涙が炎になる少女と彼女を想う悪魔の――贖罪と恋の物語。

わたしは、あの人たちのことがだいすきです。 だから、わたしは、幸せです。