空が燃えるように真っ赤に染まった夕刻。強烈な向かい風を受けながら地下鉄の駅から一人の女がカバンを片手に、一段飛ばしで出てきた。スマートフォンの画面を灯して時間を確認する。十八時を少し回ったところだ。お腹が少し空いてきた。何を食べようか?などと思いを巡らせながら家路に着く。
玄関を開け、呟くように「ただいま」と言いながら靴を脱ぐ。返事がないことは分かっていた。なのに、習慣というものは、なかなか抜けないものだ。
彼女は着替えもせずにベッドに横たわると、スマートフォンの画面を灯した。一度スワイプして、あるアイコンをタップする。『Over Land』と書かれた『それ』は画面を暗転させると、パーセンテージが添えられたゲージを増やしていく。
彼女はふぅ、と一度呼吸を吐き、天井を見つめる。
「………、何食べよっかな」
リモコンで部屋の電気を消し、眠るように目を閉じる。スマートフォンの画面は、百パーセントを示した。
同時に、彼女の姿はベッドから消えた。
2017年5月28日:ようやくプロローグを終えました。
2018年6月15日:ようやく『Over Land』が始まりました。
2023年8月6日:こちらの本編は少しの間、更新が止まります。理由としましては、この先の物語が複雑化することへの準備と、第一章までの物語がないとあまりにも不親切だな、と感じたためです。
『Over Land 第零章』はこちらになります。https://ncode.syosetu.com/n1857fy/
しばらくは↑の更新をしていければと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年04月26日
シリアス 冒険 大自然 オープンワールド スマートフォン モンスター スキル ダブルヒーロー 複数視点 絶望 希望
読了時間:約1,777分(888,215文字)