「ヒナドリ」とは、鳥族と人間族の間に生まれた未知なる種族。子どもの頃には羽根もない。ただの人間の赤子同然。しかし、十歳から二十歳にかけて、大きく身体が成長を遂げる。その結果、大人になったヒナドリを、人間は脅威だと感じるようになった。そこで起きたのが、先の大戦ヒナドリ狩りだった。
生き残った残り少ないヒナドリは、人間の脅威にならないよう、村で大人しく暮らしている。
ヒナドリ族、名前を「ひな」は、十歳になり長老から目隠しを義務付けられた。二十歳になるまで決して取ってはならない目隠し。
また、こうも告げられる。
目隠しを取られた場合、初めに見た者を主とし、従うように、と。
ある日、わけの分からないひなの前に現れたのは、一人の盗賊王だった。
哀しみと愛情、温もりを描く異世界ファンタジーがここに始まる。