震災から早数年。未だに各地にその傷跡を遺しながらも、人々は手を取り合いは取り戻している東北の地方都市、仙台。
その街の雑踏の中に、非日常を歩く一人の男がいた。天城月野(あまぎつきの)ありふれた黒髪に中肉中背、身長は175㎝程体重は若干重めの85㎏近辺をいったり来たり。そんな月野は何処にでもいる高校生、のはずだった。そう…表面上は…
あるときはDV夫から人妻を守る正義の使者。またあるときはDQN
の骨を躊躇いも無くへしおる街の喧嘩屋。またあるときはポルターガイストに悩む金持ちに近づく怪しい霊能力者。
そんな月野がつまらないミスで死にかけていた時、ふと夜空を見上げると、満月を背にしながら、妖しく微笑む魔女がいた。
「よう…久し振り…また逢えたな」
『生きる』と云うことに、意味や理由を見出だせず刹那的に生きていた月野はの運命はの歯車は、『満月の魔女』との再会から狂おしい程に廻り始めた。