夕野朝日は二年前、フラれた彼氏に顔が瓜二つだったという理由から、八つ当たりによって女神に両親と妹を殺されてしまい、自分は運良く生き延びたものの、声が出せなくなり片腕も失ってしまう。
しかも、そこから二年かけてどうにか立ち直ったのに、つい今しがた自身も殺されてしまった。
それを知った女神の姉である女神――つまり『姉女神』が朝日の魂を呼び寄せ、謝罪と共に彼女が管理する世界へと最大級の加護を与えられ転生することとなった。
その世界には死んだ家族も転生しており、その家族のもとで一緒に暮らすために朝日は、黒猫にされ更生のために一緒に行くことになった『妹女神』改め『御猫様』と共に転生する――はずだったのだが、直前になって懲りていなかった御猫様により呪いがかけられていることが発覚する。
既に転生は始まっていたため止めることができず、慌てて解呪を試みる姉女神だったが焦っていたこともあり、解呪は中途半端に終わってしまい、転生した場所も盗賊団の野営地のド真ん中という最悪な場所になってしまった。
――というのを、とても長ーく回想しながらも時間では三秒程度しか経過していないところから、二人の旅は開始されるのだった。