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短編
君のいる街にはきっと希望がある。 そんな君を好きになってしまった僕は、ついこの間のことを忘れることが出来ない。 あれは初めて君が僕に声をかけてくれた時の会話だった。 それはまるで夢に描いていた人間から声をかけられた気持ちだった。 ただ、誰もその気持ちは知る由もなく、今は少しすれ違いさえ感じている始末。 ああなんでいつもこうなってしまうのか。 僕は人とコミュニケーションをすることが続かない、 そんな自分が本当に嫌いなんだ。 職場についてショックを受けたことが一つあった、 そのことさえ、君がこころの支えでいてくれなければ とてもやっていられない。 でも今後、君と上手く関係を築けるだろうか。 君はいつも愛妻弁当を持ってきている。 君にはきっと素敵な彼女がいるのだろうか。 それとも、それは思い違いなのだろうか。 思い違いであって欲しいが、だいたいが、予想は裏切られるものであり、 今後の関係もうまくいかないものであるものだ。 そういう気持ちを小説にしてしまう僕は 本当に何か拠り所が欲しくて仕方のない青い鳥しかないのか。 いったいこの気持ちのまま上手くやって行くことが出来るのだろうか。 『絶対にうまくいかない』 その上、僕は、必ず嫌われる存在感なのだ。 どうしていつもそうなってしまうのか。 焦れば焦るほど行き詰まり感は増し、 今後の絶望を思わずにはいられない。 君がいなければ良かったのに、とさえ思うことがある。 あと、僕にあとほんの少し可愛い要素があれば どんなに幸福だっただろう。 ぼくは、たださえこの感情を吐き出しながらも 何もすることは出来ず、 悪環境に身を投じてしまったこと、 なぜ父の言う通りにしなかったか、ということに 後悔を嘆くばかりだ。いつもそうだ、いつもそうなってしまうんだ。 君との関係が変わらなければ、1年後には今の仕事を辞めようとさえ思うようになった。 君との関係だけが、この30%しかない環境で日々をやり過ごす橋だてになっている。 このショックは当分癒されることはないだろうし、 今後の展開も期待出来ない。 やはり今回もそうなのか、この状況を打破するには人との関わりが必然だ。 何もなくても良い幸せそれはつまりそういうものではないだろうか。 必要とされている何かがあること、歩けること、自由であること、気持ちが十分に自由であること、それはそんな要項に入っている気がする。 きっと君は思い描いているだろう幸せがあって、自分がそれに十分に値しないことも分かっている。その気遣いや優しさが自分にはまだ計り知れなく持ち得ないものであって、 かと言ってそれはいつまでもそんなことも言っていられず、何処かに居場所を見つけなければならない、そんな日々を送っています。 あいつは所詮それまで、と言われようが仕方がない、それが現実であったということなのだから。 でもいま流れている音楽はそういう気持ちを優しく促してくれるものでもある。 確かに事は進んでいなかった。 だからといって、このように早合点してしまう意味も無かった。 だが日々はそのように進んで行き、穏やかに流れる雲を見ながら漂う気持ちを溢れる言葉に変えている、それだけだ。 今感じるのは、幸せの意味であり、 平和であることが本当の幸せかどうかは人それぞれなのだなと実感するようになった。 これはまだ誰にも言えない悩みでもあり、 でもそれだからこそ、その虚しさをいかに平和を実感出来るのか、想いはつのるのみ。 今にしてみればやはりそれは行く末恐ろしいことになるのではないかと思うのだが、 なにしろ、やってみないとわからないというのは、あの人の口癖である。 それ以外に思うことは自分ならこうするだろうとか、自分だったらこんなはずではなかった、ということであって、 いつまでたってもそれは頭の中から離れない事実でもある 肝心なことは何も変わっていない。 ただ、棘のある日々を遣り過し、1日を消化していくのみだけ。 そんな単純な世の中の仕組みに今頃気がついた自分にがっかりしている。 あの幾つかの年月は夢であったかのように引き裂かれ、 心臓にナイフを二本さされたまま生かされている、そんな心境である。 ところがいつもそういうところまで行かずにその一歩手前でエリスが現れる。 何かこのような分には身の丈に合わないそういうことになっているのか、家庭はすでに崩壊しており、手のつけられない状況だ。 君だけを心の拠り所にしてしまっていいのだろうか。 この悲しみは誰にも伝えることも出来ず、ただ淡々とした日々を氷の様に書き綴っている。 昨日見た夢は次の日の朝には無くなり、 夢でしかないことをまざまざと知らされる。
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
最終更新日:2015年05月15日
片思い 純文学 読了時間:約2分(835文字)