「死」って、爆弾だと思う。
小さな「命」の大きな爆発。
唐突に、もしくはじわじわと、ばーんって火花を散らす。
巻き込まれた人はみんなで涙を流して、哀しむんだ。
巻き込まれるのは、みんなその「命」の持ち主を愛し、そして「命」の持ち主に愛されていた人たちだから、世界とか、神様とかは、残酷な気がする。
でも、もしあたしが爆発しても、世界にとっては干渉する価値もない小さな爆発だから。
巻き込まれる人も、きっといない。
でもね。
あたしは爆弾っていうより、花火って言う方がなんだか好き。
花火と爆弾。似たようなものでしょう。
あたしは綺麗なものが好きだから。
空とか、虹色の鱗とか、ダイナマイトとか。
ほんとうは、だけれど。
これは爆弾を抱えた病院嫌いな女の子と
×を抱えた不愛想な男の子。
二人が「離れ離れになるまでの」恋のような、恋じゃないような、少し不思議なお話。
少女 少年 海 病気 花火 余命 現代 日本
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