一話は短編と全く同じです。読んだことのある方は二話からお願いいたします。 　シエラは森林保安協会の保安官をしている。森林調査の度に死にかけているから、もう現代日本に帰りたい。今回シエラが目指すのは、金の額縁と海と人魚が見えるという場所。翼ある何かに姿を変えられてしまったという女性を、シエラは無事見つけ出すことができるだろうか。 お約束通りに進む物語です。本当によくある展開です。予想を大きく外れることは決してありませんので、オリジナリティを求める方にはおすすめしません……

　『リリィとリリアと不誠実な婚約者』の番外編です。ネタバレを含みますので、本編をすべて読み終わってからの方が楽しめるかと思います。 　没落したガルトダット家には、リリィとリリアという名前の二人の女の子がいた。リリィは病弱で空想癖があり、リリアは従順で大人しい性格をしている。二人の内のどちらかが、元王族のアレンと結婚しなければならない。アレンは童話に出てくる王子様のように素敵な人なのだが、どうやら他に好きな人がいるらしい。妹をとても大切に思っている二人の兄は、この婚約を白紙に戻そうとするのだが…… 　本編は完結済みです。 　仕込んではみたものの、ちょっとこれは問題がありそうだなと判断し、本編の中に入れなかったお蔵入りエピソードがこちらに置いてあります。本編より多少糖度は上がっていると思います。

　雛菊乃郡に暮らす水鳥と菫は同年同日に生まれた従姉妹同士。本家の一人娘として厳しく躾けられた、美しく聡明な水鳥。その引き立て役であることを求められてきた菫。二人の少女は十二歳の時に『選定者』だという青年と出会い、雛菊乃郡にばら撒かれた黒い勾玉を集めるよう命じられた。それは人間の怨嗟や恐怖などの負の感情を吸わせることによって生み出された禍玉（まがたま）と呼ばれるもの。選定者は、より多くの禍玉を集めた方が『暁鐘の舞姫』として宮中に迎え入れられ、集められなかった方は生贄として神に捧げられるのだと、二人に告げた。 両親の支援のもと何の苦労もなく禍玉を集めてゆく水鳥だが、次第に禍玉の影響を受け心を蝕まれてゆく。一方の菫は――さっさと生贄となる覚悟を決めていた。

村はずれにひとりで住むエレネは、神様からの助言を人々に伝える仕事をしている。 ある日、彼女の前に現れた若い騎士は、湖の神様から『三日ごとにエレネの作ったスープを食べること』という助言を与えられていた。彼は初対面の時からエレネに純粋な好意を向けて来るのだが、エレネには彼の気持ちをどうしても受け入れられない事情があった。 ――色々あって逃げ癖がついてしまった娘と、初恋を拗らせた騎士のお話。 　本編は完結済み。

竜人騎士団の雑用係であるフィアには、この世界のどこかに番となる竜人がいる。幼体なので番というものがまだよくわからないフィアは、いつも優しくしてくれる団長に、自分はあなたの番ではないと告げてしまった。すると団長の様子がおかしくなり…… 純粋培養の女の子が、無自覚に番を誘惑し翻弄し精神的に追い込んでゆくお話。 　

完結済。番外編は別で連載中です。 ガルトダット伯爵家にはリリィとリリアという名前の二人の娘がいた。彼女たちが生まれる前からの約束事で、どちらかが元王族のアレンと結婚しなければならない。しかし、アレンは他に好きな女性がいるらしい…… 誰も結婚したくない、させたくないという状況下で、空回りし続ける身代わり令嬢。喜々として嫌がらせをする兄。良心の呵責に悩むどうしようもなく不誠実な婚約者…… 果たしてリリィとリリアと兄たちは、この婚約を白紙に戻すことができるのか。

　連載版の方に、続きがありますので、よろしければそちらをお読みください。一話はこれと全く同じものです。 　シエラは森林保安協会の保安官をしている。森林調査の度に死にかけているから、もう現代日本に帰りたい。今回シエラが調査に向かうのは、統治者の代替わりが行われたかもしれないという森だった。 　異世界転移した女の子に恋人ができるという、よくあるお話。最初から最後まで王道の展開です。これでもかとお約束が詰め込まれています。すべて予想通りに物事は進みます。オリジナリティを求める方には絶対に向きませんのでご注意下さい。