携帯電話の着信音が鳴った。その瞬間、女子高生の新堂咲は何者かによって斬りつけられる。振り下ろされた凶器は日本刀。訳も分からないまま襲われそうになった咲を助けたのは、自分の名を呼ぶ見知らぬ男だった。
奥津慎太郎と名乗る男に救われた咲。しかし奥津が助けようとした人間は同じ名でも新堂咲ではなかった。一方、咲は携帯電話の着信音と共に一変した世界に困惑していた。二本差しの刀、男の袴姿、耳に入る時代錯誤な単語。黒船は来たかと質問する妙な咲の疑問に、奥津も訝しげに答える。十年以上前に黒船は来ただろうと。
現代から幕末に跳ばされてしまったことを確信した咲は、奥津と妙な縁を感じながら元の時代へ戻る方法を模索する。
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