遺体農場。死体牧場とも呼ばれる、人間の死体の腐敗経過を観察する研究施設が存在する。
そこで死体を観察している男は、同じ死体を毎日観察していた。来る日も来る日も死体を眺めていて、死とはこんなにも簡単なものなのかと考える。
死は簡単に訪れるのに、死というものを簡単に説明できない。そんな矛盾が生み出す恐怖が、途方もなく恐ろしい。
だが、その恐ろしく感じる死というものは、途方もなく遠くではなく。いつも隣に居る。
文学 殺人 死 恐怖 絶望 霊界/地獄/天国 死体 遺体
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