神楽学園に入学した伯川露音は春も真っ只中、ある事実に打ちひしがれていた。
それは、単純な学力の差。自分と同じくして受験を突破した同級生たちと、そもそも地力が違うこと。
追いていかれるような授業、結果のでない試験の点数、そのどれもが彼を追い詰めかけていた。
そしてやってきた合宿という名の勉強地獄。
成績を基準にグループが組まれたこの合宿を、学年首席の月夜望心と共に過ごすことになったことで、彼の世界は一変する。
良いようにも。悪いようにも。
どうしても叶えたい願い事があったとして。
―――――あなたは今の世界を壊せますか?
これは、絶対にあり得てはいけない願いのはなし。
叶わない、それでも願い続けた。
そんな、おとぎ話。