作品一覧全2件
連載 17エピソード
朝霞んだ眼を擦って起き上がってテレビを見ながら朝食を摂って制服に袖を通して、ゆっくりと意識が覚醒した時、自分が勇者になったことを知った。 その人間の性《さが》にあった物にいつの間にかなることが出来るジョブと呼ばれるシステムがある世界で、 魔王も居るわけがないそれなりに平和な現代で、何故自分は勇者になったのか。 誰かに問いかけたくて、スマホの画面をつけて配信開始のボタンを押してまたダンジョンの中へと潜っていく。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2024年07月02日
男主人公 勇者 和風 学園 現代 魔法 冒険 青春 ダンジョン ラブコメ 読了時間:約120分(59,716文字)
連載 10エピソード
御伽噺は囁かれる。 村の外れにある、沼の上に連なる、顔より大きな蓮の橋。その線の先に続く針葉樹が空を覆う森の一本道。 なだらかな山から流れる幅の小さな川底まで透き通るせせらぎに沿って、木々が幾重にも重なって、射す光さえ通さない薄暗い、ぐねぐねと弧を描き、向かう方角を惑わすその道の先には、底の見えない黒く深い穴があるのさ。 その穴をどうにか下った先、色とりどりの鍾乳洞の洞窟をも超えて、歩き続けた森の奥の奥。 そびえ立つ、青々とした蔦(つた)が絡まるよう張り付く大木の下、底まで透き通った青い湖の中心に、魔女が住んでいたその城はそこあるんだ。 誰も住んでいないはずの城は、今でも綺麗で。 苔一つ無いままに光を帯びて、どんな王都の城と比べてもそれでもなおに美しい。 ……ならば何故、誰もが羨む古城を使う人間がいないのか? 実は一度だけ、身ばかり綺麗に装飾した、いけ好かない貴族様が件(くだん)の城の噂を聞きつけて。我が物にせんと後ろにぞろぞろ家来を引き連れ、魔女の話を語る村長の話も聞かずに意気揚々とその道を辿っていった。 一日経ち、二日経ち。 歩いて半日もかかる訳がない程度の距離のはずなのに、城へと行くことを止めた村長の元に貴族は帰って来ない。 気になった村長が幾人と共に見に行った城は記憶に変わらずに綺麗なまま、静かな湖畔の上に佇(たたず)んでいたんだ。大きな扉は閉じたままに。 …城は入ることは出来るのかもしれない。 けれど、入ったら二度と出ることは出来ないのさ。 ずっと、永遠にお城の中で。 ――――どうなるのかは、お楽しみ。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2024年05月12日
男主人公 魔法 異世界 ファンタジー 魔術 執着 愛 転生もどき 幼馴染 城 読了時間:約138分(68,630文字)