「ははっ、そんなに綺麗なもんじゃないね」
そう笑いながら床に散らばった紫の花弁を踏みつける、その画がいつまで経っても頭から離れない。
報われない恋慕を抱き続け片思いを拗らせた結果、感情と同じ意味の花言葉を持つ花を吐き出すという奇病、「花吐き病」。
1000人に1人が罹るとされるこの病を患う綿貫暎(わたぬき あき)は、自らの意思と関係無く溢れるこの花のことが嫌で嫌で仕方なかった。
しかし、大学の友人、泊朝霞(とまり あさか)と接するうちにまたもその病が顔を出してーーー。
BK小説大賞 ネトコン13 現代 花吐き病 BL
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