街のほぼ中央に、「火竜屋」(かりゅうや)の看板が立っている。どんな依頼も請け負う「何でも屋」だが、その店に客が入ったことは一度もない。それもそのはず、店にいるのは店主の少女と、店の名前の由来となった子どもドラゴンのいる店だった。
店の未来を案じた店主の少女は、弟のアドバイスを受けて火竜屋の変名を決める。そんな少女の前に現れたのは、歌手を志すひとりの少年だった。
少年との出会いから、火竜屋の日常が一変する。ポツポツと現れるようになる奇妙な客たち。波乱万丈と化した火竜屋の何でも屋生活の中、徐々に少年の正体が明らかとなっていく。
ファンタジー ドラゴン 異世界
読了時間:約75分(37,119文字)