プロローグ
「強奪」
夕暮れ。
ガタガタ・・・・・
廃村に風音が響く。
いや、厳密に言えば廃村ではない。
廃村に「今」成り果てた村だ。
ビュオオオ・・・・・。
黒い男とローブに身を包んだ者達を
中心に風が吹く。
その風はまるで、これから起こる事の不可解さを
憎悪で表現しているかのようだった。
ふと、黒い男が口を開く。
「よくやった、選ばれし者よ。」
黒い男はそう言い残し
ローブに身を包んだ者達とその場を去る。
そこには、辿々しい一筋の希望が
「う・・・・・ぎ・・・・・」
あったような気がした。
世界の破滅、それを阻止するために動いた
3人の英雄の話。