梅雨の始まり。公園の出入り口にある、紫陽花が咲く階段にて。
中学三年生の陽日(はるひ)は一人、失恋のショックを噛み締めていた。
彼女を思う気持ちなんて、全部雨に流されてしまえばいいのに。
そんな陽日の前に現れたのは、真っ白な肌と髪を持つ不思議な雰囲気の少年・紫乃(しの)だった。
「何を忘れたいの? 君は」
梅雨の季節、紫陽花の傍で不思議な交流をする少年たちの物語。
※ボーイズラブのキーワードをつけていますが、本作は同性愛を取り扱ったお話ではございません。
一部、上記キーワードを思わせる描写を含んでいるため、つけさせて頂いています。