わたしはアリアドネ。平凡な村娘だった八歳の時に家族を亡くし、《異世界の魔導師》と呼ばれる師匠に育てられました。時は経ち、私が十六歳になったその年 王様に呼ばれた師匠は、代わりに私を王都に寄越しました。「メンドクサイ。おまえ行ってこい」と。こんな怠け者の師匠ですが、弟子として言うことを聞かざるを得ないのです。王都で《魔導師》を待っていたのは、聖女と王子、そして騎士団のエース。王様が私たちに命じたのは、魔物で穢れた国を浄化すること。異様にキラキラしい聖女と、彼女を取り巻く気位の高い王子、そして不気味な従者に先が思いやられます。唯一マトモそうな騎士であるユアン・グレンデルは、ナゼか平凡な私を警戒していて……。これは浄化の旅における私達の、活躍と陰謀の冒険物語(の予定)である。 恋愛……ふっふ、私も年頃ですからね。あるとありがたいです。(希望的観測)