「君との婚約を白紙に戻す」
突然の呼び出し。応じて馳せ参じてみれば、告げられたのは婚約を破棄するという一方的な宣言であった。
プリシラは意気消沈しながらもその話に頷いた。婚約者であるヴィンセントは他に好きな相手がいるらしい。これまでずっと距離を縮められず、プリシラは片思いに疲れ切っていた。もういい。さようなら。
しかし翌日、ヴィンセントから呼び出された。こんどは何だと駆けつければ、なんと彼は記憶喪失であるという。
婚約者だと紹介されて、破棄の件はヴィンセントの独断であったと知る。誰も知らない婚約破棄。
向こうが最初に勝手をして、婚約を破棄すると言ったのだ。こちらも勝手をして何が悪い。プリシラはこのまま婚約を継続すると、そう決めた。
悪役令嬢 女主人公 婚約破棄 記憶喪失 復讐 女の恨み 溺愛 ハッピーエンド ざまぁ? やり直し
読了時間:約36分(17,659文字)