生まれ落ちて196年間、地下収容施設・オクタゴンで窮屈な生活を送っていた魔法使い・色無スミレ。そんなスミレの夢は、物語という名の舞台の中心で輝かしく舞う主人公になることだった。
しかしある日、スミレは魔法使い達が主導する暴動の火付け役を任され、その大役を成し遂げる事で外の世界へと出る機会を得た。
そんな自分の代わりにオクタゴンに残った魔法使いのため、スミレは彼等の平和的釈放と、地上世界の情報を収集する事を目指して旅に出る。
その旅の過程でスミレは、読書を通じて先輩から学んだ『主役術』と魔法を駆使して、様々な大きな問題を解決して行く。
『――さあ、舞台に上がる時が来た』
思わぬ形で夢を叶えたスミレの物語は、こうして幕を開けたのだった。