作品一覧全2件
連載 完結済 4エピソード
ぴたりとフォーカスの合う優秀なデジカメみたいに。気づけばいつも斜めふたつ前のあの席に照準が合ってしまうんだ。雨上がりのいきなり強度を上げた光線にキラキラと踊る、癖のない彼女の髪の毛。光はただあの人の髪を金色に輝かせるためだけにある。 ※これも10年前くらいに書いたもの。を載せてみます
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
最終更新日:2016年03月18日
現代 文学 読了時間:約15分(7,373文字)
連載 完結済 4エピソード
─この世で一番、近くにいるものって何? 煎餅布団からずいと煙草に手を伸ばして透はいう。 ─おれは、水かな。 ようやく手首へのキスをやめた透は、空気はちょっと存在感ないしね、と続ける。風呂に入ると俺、ゆっくり沈むの。まずは足から。そして胴。じわじわと体を水が取り囲むんだ。ようやく肩まで浸かると、ぶくぶくと潜るの。で、息をとめて。ゆっくりと鼻に耳に侵食する水を感じるんだ。肺に空気がなくなって血がのぼりつめた時、名残惜しいながら俺はようやく顔を上げる。肺に息が戻るときのあの「生」の感じ。あの焦ったギリギリの生のかんじ。 ※10年くらいPCに眠ってたやつを投稿してみました。淡々としてます
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル] R15
最終更新日:2016年03月18日
現代 読了時間:約19分(9,181文字)