どこかの本棚から時折、私の脳内へ本が一冊引き出される。それは大抵の場合、図書館へ行こうとインターネットで探そうと見つかることはない。私はそれを読むことを何者か(本能?はたまた神であろうか)に強いられ、私自身も抗うことなく読んできた。一冊を読み終えると私は書評を書く。言うなれば夢日記のようなもので、現物の残らない数多の脳内に訪れる本たちの、記録を残しているということだ。
時期が来れば、私はこれを本にしようと思っている。この病気めいた現象が、少しでも生活の足しになるのなら、まだ私の苦悩の日々も報われるというものだろう。
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シェアワールド小説企画、コロンシリーズの参加作品です。
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